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空前絶後のブログ

「このようなブログを今後、我々が読むことは恐らくかなわないでしょう」-ヒラリークリントン-

天皇陛下の「生前退位」は安倍政権の改憲を阻止するためだった!?

 

昨日7月13日、天皇陛下 「生前退位」の意向示されるというニュースがNHKで発表されました。

 

(記事が消えていました。詳細はキャッシュからどうぞ)

 

これによりますと、

 

 天皇陛下は、82歳と高齢となった今も、憲法に規定された国事行為をはじめ数多くの公務を続けられています。そうしたなか、天皇の位を生前に皇太子さまに譲る「生前退位」の意向を宮内庁の関係者に示されていることが分かりました。
天皇陛下は、「憲法に定められた象徴としての務めを十分に果たせる者が天皇の位にあるべきだ」と考え、今後、年を重ねていくなかで、大きく公務を減らしたり代役を立てたりして天皇の位にとどまることは望まれていないということです。こうした意向は、皇后さまをはじめ皇太子さまや秋篠宮さまも受け入れられているということです。(上記リンクより引用)

 

 とのこと。この報道を受けてネット界隈では「次の元号は何になるのか?」など大いに盛り上がりました。そんな中、某掲示板でこんな意見がでました。それは

 

天皇陛下がこのタイミングで生前退位を発表したのは安倍政権の改憲を阻止するためだった

 

というもの。どういうことかと言いますと、そもそも改憲を行う場合、3つの手順が必要となります。

 

1、総議員の2/3が改正案に賛成すること

これは今回の選挙で達成されましたね。まず間違いなく通過するでしょう。続いて

2、国民投票で過半数を超えること

これが大きな鬼門ですね。今回の選挙結果を見る限りいけそうな気もします。(※ 当初、有権者の半数と記述しましたが、私の勘違いでした。通りすがりですがさん、ありがとうございました。)

3、天皇の公布

めでたく国民投票で勝利すれば新憲法として天皇陛下が国事行為として公布することとなります。これは別にハードルでもなんでもなく、儀礼的なものです。

 

いや、だったはずでした。

 ここで問題となってくるのが、現天皇陛下である今上天皇が仰ったという「生前退位」というわけですね。

仮に生前退位が行われた場合、次の天皇陛下は誰になるのか?という問題が発生します。何故なら、天皇に関する法を定める皇室典範では皇位継承について「天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する」とだけ記されています。逆に言えば、生前退位という前例の無い継承については規定がないため、誰が天皇になるか決められないのです。

参考:天皇陛下が「生前退位」の意向、皇室典範の規定は?

 

そうなってくると、仮に天皇陛下が生前退位を押し通したり、老身を事由に公務の一部を遂行できないとされたりすれば、当然憲法の改正も達せられないというわけです。

そこで皇室典範を改正し、生前退位と次の天皇の規定を定める必要が出てくるわけです。皇室典範の改正自体は普通の法律と同じ方法でできます。

しかしながら皇室典範の改正は、その特殊な立ち位置から、改正の難度は高いといえます。現に改正も『宮内府』を『宮内庁』に改めたというレベルのものがあった程度であり、小泉政権下で女系天皇問題が扱われた時も、議論は紛糾しました。

なので今回の皇室典範の改正にしても、保守派の中でも大いに議論を呼ぶだろうと予想されます。皇室典範の改正が憲法改正への追い風になると主張する人もいますが、このように総合的に見れば、改憲への障害として機能することが分かるでしょう。

 

では今上天皇は明確に改憲を阻止しようという意図があって、今回の報道につながったのでしょうか?

 

少なくとも今上天皇改憲への懸念を示しているだろう証拠はあります。まず、今上天皇はその即位後の会見では

 

 今日,我が国は国民生活の安定と繁栄を実現し,平和国家として国際社会に名誉ある地位を占めるに至りました。
ここに,皇位を継承するに当たり,大行天皇の御遺徳に深く思いをいたし,いかなるときも国民とともにあることを念願された御心を心としつつ,皆さんとともに日本国憲法を守り,これに従って責務を果たすことを誓い,国運の一層の進展と世界の平和,人類福祉の増進を切に希望してやみません。

引用元:

主な式典におけるおことば(平成元年):天皇陛下のおことば - 宮内庁

 

 と述べられています。平和や憲法、特に9条への思いの深さをうかがい知れます。また、平成25年の誕生日に際する会見では

 

  たとえば、昨年、天皇は誕生日に際した記者会見で、記者の「80年の道のりを振り返って特に印象に残っている出来事を」という質問にこう答えている。
「戦後、連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って、今日の日本を築きました。戦争で荒廃した国土を立て直し、かつ、改善していくために当時の我が国の人々の払った努力に対し、深い感謝の気持ちを抱いています。また、当時の知日派の米国人の協力も忘れてはならないことと思います」
 日本国憲法を「平和と民主主義を守るべき、大切なもの」と最大限に評価した上で、わざわざ「知日派の米国人の協力」に言及し、「米国による押しつけ憲法」という右派の批判を牽制するような発言をしたのである。

引用元:

天皇家と安倍政権が対立!? 護憲姿勢強める天皇・皇后を首相の側近が批判!|LITERA/リテラ

参考:

天皇陛下お誕生日に際し(平成25年) - 宮内庁

 

 と述べられています。このように今上天皇陛下は平和憲法への強い意思があり、改憲に対して反対であることはほぼ間違いないでしょう。

しかしこういう反論もあります。「今上天皇は5年前から生前退位を表明していたという報道もある」というもの。 

 

www3.nhk.or.jp

 

つまりは偶然の一致なんじゃないか?ということですね。

これに関しては確たる証拠があるわけでないので半ば予想になってしまいますが、まずご自身の退位が改憲に障害になると全く認識していなかったということはないだろうと思います。生前退位を検討すれば、憲法や法律の問題とぶつかるのは当たり前だからです。

また、情報に関しても錯綜しています。”東京は1年前、産経は少なくとも1年以上前、日経は数年前”などと各紙によって、あるいは政府、宮内庁によって時期も主張もバラバラです。ちなみに毎日によれば今年5月半ばから会合を重ねて検討が本格化だそう。

このような不一致は、ひとえに利害の一致や合意が得られず、様々な思惑があったがゆえのように思えます。

よって俺は少なくみても、生前退位の話が昔から出ていたこと自体は偶然であり、利害の調整に際して、今上天皇改憲に対して配慮するという選択はしなかったと言っていいと思います。

天皇陛下が日本という国の象徴として、何を目指されているのか。国民みんなが一度は考えてみるのもいいかもしれません。

 

最後におまけですが、今上天皇の生前退位は海外でも大きな話題となりました。ニューヨークタイムズ紙の報道を引用して本稿を終わりとしたいと思います。

 

The report of the planned abdication comes just three days after the Liberal Democratic Party of Prime Minister Shinzo Abe and its allies won a commanding victory in parliamentary elections, capturing two-thirds of the seats in the upper house, the amount required to initiate a constitutional revision. Mr. Abe has long had an ambition to overturn the constitutional clause that calls for Japan’s complete renunciation of war.

Although the emperor has no official political authority, Prince Naruhito could offer a counterpoint to Mr. Abe’s goals. He has repeatedly commended the pacifist Constitution written by the American occupiers in 1947. On the eve of his 55th birthday, in 2015, Prince Naruhito praised the Constitution and said he wanted to “engrave in the mind the preciousness of the peace.”

For the emperor to abdicate, Parliament would have to revise the imperial law, which stipulates that the throne passes on after the death of the monarch.

引用:Emperor Akihito of Japan Plans to Abdicate Throne, Broadcaster Says