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空前絶後のブログ

「このようなブログを今後、我々が読むことは恐らくかなわないでしょう」-ヒラリークリントン-

ニコニコ動画はオワコンなのか?全盛期は過ぎたのか?

評論と考察

 

さて、前回はニコニコ動画のユーザーはつまらなくなったのか?ということについて考察(?)しましたが・・・

 

kuzenzetugo.hatenablog.com

 

オワコンと呼ばれて久しいニコニコ動画。ユーザー数が減った増えた、まだまだ面白い、いやつまらなくなったなど、様々な意見がありますが実のところどうなのでしょうか?

個人的にはまだまだ面白いという気もしますが、しかし10年間に及ぶ運営期間の中で、今がピークなのかというと微妙な気もします。

 

たしかにニコニコ動画のインターネットや若者の文化に与えた影響は、とても大きいものだったと思います。

しかし、今後もニコニコ動画は新しい文化を生み出していくのと言えるのでしょうか?文化を発信する担い手としての価値はまだ失われていないのでしょうか?

 

実はニコニコ動画で発信されてきた文化の歴史を考察すると、何種類かの特徴ある文化が手を変え品を変え、繰り返されていることが分かります。

逆に言うと、そうした文化をいつまでニコニコに置いておけるかということが今後のニコニコ存続のキモになるわけで、ここからニコニコ動画の未来を占うことができます。

ではその文化にはどんな種類のものがあるでしょうか?

 

 1、~してみた文化

ユーザーが歌ったり踊ったりした動画を投稿する、いわゆる「~してみた系」の動画です。「歌ってみた」っていうタグでよく見かける作品ですね。他にも実況動画やブロマガも同じジャンルと見なして良いでしょう。

近年では「歌い手」に代表されるように、こうした投稿をしていた人が一気にプロに、人気歌手に上り詰めるケースも増えてきました。

この「ユーザーが何かをする様を配信し、そこに面白さや感動を見出す」という文化はニコニコ動画が持つ大きな文化の一つです。

文化自体は、例えば実況動画などはニコニコ以前からありましたが、ここまで規模が大きくなり、実際に経済が回りだすようになったのはニコニコの功績と言えます。

しかしながら、こうした文化がニコニコ動画で今後も伸びるかというと俺は難しいと思います。なぜなら現在、このような動画を配信する手段はTwicasやYoutubeなどを筆頭に沢山あるからです。

また、その表現方法も多様化しており、コラボ機能に特化したnanaや数秒だけ動画を配信するVineなど幅広い選択肢が提供されています。

もちろん、コメントを共有できるというニコニコ動画の強みは今後も易々と脅かされないでしょう。また、ユーザーチャンネルによって大儲けする人も一部ではいます。しかし大多数のユーザーはTwitterなどのSNSと紐付けて、今後様々な方法で表現していくと予想されます。また、Youtubuだけでなく今後も似たような海外のサービスが席巻する可能性があります。ニコニコだけが独占できる文化とはなりえないでしょう。

 

2、創作文化

 

上の「~してみた系」に近いものですが、ニコニコにはより創作色の強い文化も存在します。例えば、初音ミクを筆頭とした作詞・作曲作品、ゆっくり音声や朗読によるTRPG・物語性のある紙芝居、MMDによるアニメーションなどがそれです。

 

創作文化と~してみた系文化の相違点として、相乗効果が挙げられます。これは例えば、初音ミクで作った曲を投稿すると、他の人がそこに絵をつけたり歌ってみたりした動画を投稿する、というような流れを指します。つまり創造意欲をお互いに刺激しあう文化があるのです。

ニコニコ動画はこうした文化への強化を目的として様々な試みを行っています。クリエイター奨励制度による現金の支給と創作意欲の誘発と動画・画像・小説など幅広い表現手段への対応がそれです。

クリエイター推奨制度は創作者に運営が動画再生数やその作品の二次創作数などに応じて資金を提供するものです。しかし一方で、クリエイター奨励制度は一定の金額をユーザーで分割する方式であり、最近はユーザー1人あたりの獲得金額が減少傾向にあるようです。また、創作の誘発という点でも、現状それほど上手くいっている様子はありません。

また、表現方法の多様化に関してもPixivやTwitter、小説家になろうなどから絵師などの投稿ユーザーを動かすほどになりそうな気配はありません。少し余談ですが、ニコニコ静画のR-18絵の投稿禁止は結構ネックになってると思います 笑。

 

~してみた系と違い、現状の主要なSNSや作品共有サービスではそう簡単にニコニコの創作文化が失われることはないでしょう。しかしクリエイター奨励制度や静画の失敗などを見るとあまり楽観視することもできない、というのが現状ではないでしょうか。

 

 3、アングラ作品

ドロー!!モンスターカード!!! by 山山 アニメ/動画 - ニコニコ動画

 

ニコニコ開設すぐの頃、版権動画は溢れ返っていました。まさに無法地帯だったこの時期にはアニメや映画、ドラマなどの版権作品が無断でアップされまくっていました。未だに覚えていますが、「ひぐらしの鳴く頃に」とか毎週すぐにアップロードされてましたね・・・

またエア本レスリング動画など、消されるたびにアップロードされまくるなど、良くも悪くもアングラな空気感がありました。賛否両論あれど、こうした文化がユーザーを爆発的に増やしたことには間違いありません。

これらの版権映像とそれを元にしたMAD作品が主流だったこの頃。先ほどニコニコの全盛期はいつか?と書きましたが、多くの人が挙げるのがこれらが主流だった2007年あたりの頃ではないでしょうか。

その後、版権動画はかなりの頻度で削除されるようになり、更に何年か後には公式でアニメや映画が配信されるようになりました。

この時期の著作権を無視した運営に、版権関係者は相当快く思っていなかったはずで、よく公式配信とかできるようになったなあと。

 

これらの流れを一つの文化として見た場合、今現在のニコニコ動画にそうした文化は生きているでしょうか?先述したように、現在ニコニコではアニメや映画が公式配信されています。しかし、それはあくまで公式配信であり、アングラ文化と実は全く関係ありません。

そういう意味で、違法にアップロードされた作品が人気であったからといって、イコール公式で配信すればマネタイズできるというわけではありません。

他のアングラ文化はどうでしょうか。例えばレスリングの後継的扱いのいわゆる淫夢は未だにある程度の知名度があり、ニコニコがその認知に大きな貢献をしたことは間違いないでしょう(される方はたまったもんじゃないですが)。

しかも違法な版権動画が多数投稿されている、コメント機能も付いているサイトが他にあるにも関わらず、淫夢系はおろこかMAD系ですらほとんど投稿されていない状況にあり、こうしたアングラ文化は未だにニコニコが独占しています。今しばらくは、ニコニコ動画のアングラ文化は生き続け、集客していくものと考えられます。

ただし、こうした文化は同時にマネタイズすることがとても難しく、ニコニコ動画というコミュニティにも強い影響力を持ちます。なので将来的にニコニコ動画がこうした文化を排除しようとする可能性はあります。

以上、大まかにニコニコ動画の文化を分析をしてみました。

 

4、結局オワコン化するのか?

 

ニコニコ動画は当初、赤字続きでした。それがある時に一気に黒字化して。その原動力がニコニコ生放送のサービス開始による有料会員数の激増でした。

しかし、今は生配信を行うサービスも増え、競争は激化しています。なので生放送という商品だけでは、以前よりもそう簡単にはいかなくなっていると予想されます。

そこで新たな目玉事業と目されているのが超会議というリアルイベントと公式生放送、そして公式の版権動画や有料電子書籍の販売です。

これらを先述した「文化」という観点からみたとき、それは陸続きであるというよりもニコニコ動画的なモノ+αな何か」ともいえます。もちろんこうした企画はユーザー層との親和性が高く、マネタイズという観点では良いのかもしれません。

しかしながら、残念ながら現在の新規事業の多くはニコニコ動画の独自文化を発展させたり、「面白くするもの」ではないと言えます。また、先述したようにクリエイター奨励制度や有料放送も、他サービス移行への抑止力以上の成果が見えないというのが現状です。クリエイター奨励制度はもう少しうまくやれば面白いことになるとは思うのですが・・・

ただしこれは、だから事業がうまくいかないということではありません。また、繰り返しになりますがニコニコ動画の創作とアングラ文化は依然としてニコニコ独自のものであり、現状は代替はありません。

つまり「ニコニコはオワコンか?」と言われればそんなことはなく、もしそうだとしても単純にネット全体で面白いものが出てきていないだけなのです。もしくは貴方の趣味が年齢とともに変わっただけです。

今後、ニコニコとは違う面白さを持つサービスが出てくるかもしれません。もしくは他のサービスに取って代わられるかもしれません。しかし何であれ、そのDNAはきっとどこかに息づいていくだろうと思うのです。