読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

空前絶後のブログ

「このようなブログを今後、我々が読むことは恐らくかなわないでしょう」-ヒラリークリントン-

ドリフターズの疑問点と考察まとめ

 

みなさんはドリフターズという漫画をご存じでしょうか?作者の平野耕太先生は吸血鬼と人間の争いを描いた『HELLSING』という漫画でデビュー。有名な少佐の演説など、クセの強い台詞の応酬とスリリングな展開で有名になりました。

 

www.youtube.com

 

そんな平野耕太先生ことヒラコーの最新作がドリフターズです!現在は5巻まで刊行されており、アニメ化も決定しています。

 

おはなしは戦国時代の武将、島津豊久関ヶ原の戦いに敗れ、あわや死にかけた時、不思議な男に異世界に飛ばされるところから始まります。そこにはドワーフやエルフ、ドラゴンなどのファンタジーが実在する世界。そこで豊久は同じく飛ばされてきた織田信長那須与一と出会い、こちらの世界でも『国獲り』を開始する!というもの。

異世界英霊大戦争という感じでしょうか。fate好きも異世界系好きもキングダム好きもぜひ読んでほしいおすすめの作品です。

 

ちなみに

島津豊久

 

 

織田信長

 

那須与一

 

キャラデザはこんな感じ。悪い顔してる信長がかっこいいです!与一は女性っぽいですが男です。決して最近のよくある女体化とか「実は女だった」的なアレではありません 笑

他にも源義経ハンニバルなど、いろんな英雄が出てきますよ!

 

んで、この作品、5巻までの時点で色々な伏線がちりばめられています。今回はそこらへんの疑問と私的考察をまとめていこうかなと。ネタバレが含まれるので未読の方は注意してどうぞ!

 

 

 

 ↓    ↓    ↓    ↓

 

 

 

1、サンジェルミ伯は何者か?

 

濃いキャラクターが多いドリフターズでも一番濃いと言っても過言ではない万能オカマ、サンジェルミ伯爵。

元ネタが18世紀のヨーロッパに実在した不老不死の怪人、サンジェルマン伯爵なのは多くの人がすぐに気が付いたかと思います。一応説明するとサンジェルマン伯爵の伝説とは・・・

 

彼は、沢山の宝石を散りばめた豪華な衣装に身を包み、普段は丸薬とパンと麦しか口にせず、ギリシア語ラテン語サンスクリット語アラビア語、中国語に加えて仏・独・英・伊・葡・西の数か国語に堪能であったと言われる。また、身なりにも気を使い、クラヴサンとヴァイオリンの名手でもあり、作曲も熟した。更に化学と錬金術にも精通しており、ついには不老不死に関する著作を物したとも言われる。

(略)
作曲家のジャン=フィリップ・ラモーは「自分は人生で何度かサン・ジェルマンに会ったことがあるが、数十年たっても、どれも同じ年齢のサン・ジェルマンだった。彼の存在は神秘そのものだとしかいいようがない」と記している。またセルジ伯爵夫人 (comtesse de Cergy) は同年、以前の大使夫人時代にヴェニスで彼と会ったが、約40年後に再会した時には全く年を取った様に見えなかったと語っている。こうした証言は非常に多い。

 

サンジェルマン伯爵 - Wikipedia

 

このように錬金術を扱うところなどから考えても、元ネタはこの人で間違いないでしょう。では「不老不死」という点はどうでしょうか?

作中ではサンジェルミは織田信長を知っているばかりか、未来での(恐らく21世紀時点での)彼への評価まで述べています。なのでサンジェルミは18世紀に生まれ、少なくとも信長の死後何百年か経ってから異世界に飛ばされた・・・と考えることもできます。

しかし今の時点で、サンジェルミが不老不死であるという描写はなく、特に錬金術で他の陰陽師のような魔法じみたことをすることもありません。もちろん、魔法もありえる世界観でサンジェルミが不死身であるというのも別におかしくはないのですが・・・

ここでもう一つの解釈を試みたいと思います。この解釈により、もう一つの疑問も解くことができます。それが

 

2、黒王はなぜデサントを知っていたのか?

 

恐らくドリフターズのラスボスになるであろう黒王様。正体に関しては諸説ありますが、一番有力視されているのがキリスト説ですね。能力から身体的特徴から周囲の評価から発言からすべてがキリストっぽい・・・というか逆にキリストっぽすぎてミスリードなんじゃないかと思うレベルです。

そんなキリスト説ですが疑問点もありまして。それが黒王が近代戦術であるデサントを知っていたということ。部下の明智も「なんで黒王はこんな方法を知っている・・・?本当に正体は私が考えるアレなのか・・・?」と読者と同じ疑問を抱いています。

んでそこで考えた考察が、先ほどの疑問点に対する考察でもありますが、黒王やサンジェルミは元の世界と別の世界を行き来できたのではないか?というもの。

異世界に召喚される英雄は、元の世界→紫とかがいる関所みたいなとこ→異世界と経由して召喚されています。描写から紫たちの時間経過は元の世界と関係なく、好きなタイミングで好きな時間に繋げられると思われます。

恐らく黒王たちは特殊な能力で元の世界→関所→元の世界(未来)と移動しているのではないでしょうか。そうすることで黒王は未来の戦術を学び、サンジェルミは飛び飛びに色々な年代の人に会うことで不老不死と思われた。現にサンジェルミは紫らを知っていると思われる発言をしていますし、彼らの目的や世界の秘密を知っている可能性も示唆されています。

 

3、ドリフターズとはなんなのか?

 

根本的な疑問だけど、そもそもドリフターズとはなんなのか?特に俺が一番引っかかったのは黒王の「ドリフターズだけは絶対に殺せ。他は何の問題もない」という旨の発言。

異世界にも人間はいるわけで、少なくとも現在の描写を見る限り、特別こちらの世界の人間と変わりがあるようには思えません。逆にドリフターズの持つ優位性って①高い能力 ②未来の知識 ③未来の武器 ぐらいです。

①であれば、異世界の人間たちでもそれなりの資質を持つ人間が生まれてもおかしくないのでは?と思います。

また②、③であれば、そもそも英雄じゃなくても超未来の武器を持ってる一般の兵士を大量に送り込んだ方が有益ですよね。

それにも関わらず、なぜ紫たちは英雄を重視し、黒王たちも「それ以外は問題ない」と切り捨てるのでしょうか?他に資質があるとしたらそれはなんでしょうか?

そのヒントとなりそうなのが織田信長ドリフターズに関する発言です。曰く「ドリフターズとは技術の渡来者であり、思考の差異者である」。しかしこれだけであれば、やはり多様性を担保するためにも英雄に拘らず色々な背景を持つ人間を送り込んだ方が効率的とも言えます。また、異世界の文明レベルと大して変わらない時代から来ているドリフもいるので、必ずしもドリフターズでなければ思いつかない・できないということもあまりなさそうです。もっと言うと、それだけで黒王にとって絶対的な脅威となるか?と言うと微妙ではないでしょうか。

ここで少し振り返って、先ほどこちらの世界と異世界の人間に違いはない、と述べましたが、もう少し視点を変えてドリフターズとこちらの世界の人間について考えてみます。

例えば織田信長にしても、彼は鉄砲を活用するために三段撃ちの戦法を生み出すなど内外に画期的な施策を行ったと評価されています。これを単に能力の高さと評価するのは簡単ですが、この漫画の世界観に倣って言えば、それは紫の言うような「世界をかきまわす」者だからではないでしょうか。

つまり、ドリフターズとは我々にとっても独特な存在であり、思考の差異者であり、世界をかき回す者なのです。その結果としてこちらの世界で成功し、その文化や知識レベルに関係なくあちらの世界に必要とされる。そのような世界観が根底にあるのではないでしょうか。

 

4、紫とEASYは何者なのか?

多くの読者にとって最大の疑問は紫とEASYは何者なのか?ということでしょう。実際、物語の根幹でありながら出された情報はごくわずかであり、今後の登場が待ち遠しいキャラです。

紫はドリフターズを、EASYはエンズをそれぞれ召喚しているようですが、その目的はなんなのでしょうか。

確かなことは、紫もEASYも異世界の動向に関して、直接手出しはしないこと、そして短絡的な目的で動いているわけではないということです。

エンズは世界の破壊を目的としていますが、EASYは戦力を一気に投入したりはしません。紫もそれに合わせているのか、逐次投入、EASYへの対応という形をとっています。もし本当にちゃっちゃと世界を滅ぼしたいのならば一点集中で送り込めば良いわけで、あくまで世界を滅ぼすなどは、より大いなる目的のための手段だと考えられます。ドリフターズより共通の目標があるエンズの方が争い合わないだろうし。

また、紫はお役所仕事のようにドリフターズを召喚し、EASYはゲーム感覚で結果に一喜一憂しているように思えます。以上のような点を総括すると、彼らは直接的な利益や感情のために何かをしているというよりは、異世界をデザインしようとし、その結果思想の違いから対立しているように思えます。

ここで少し余談ですが、紫が日本人で、たまたま今その仕事をしている、とかだったら、ドリフターズにやたら日本人が多い理由も説明つくかなあと思ったり。まあ単純に大人の都合でしょうが・・・汗

話を戻すと、彼らが神のような存在であるとすれば、彼らにとってはこちらの世界も異世界も、プログラミングで作れる世界のようなものかもしれません。そこに未来の技術とか違う時代背景の文化を投入しても、それはあくまでデータに過ぎず、紫にとってもEASYにとっても予定調和で。

唯一ドリフターズやエンズという、世界にとってバグやウィルスみたいな存在がそれを予測不可能にする。しかし予測不可能ゆえにお互い慎重に投入している・・・みたいなイメージなのかな、と個人的に思っています。だからこそ黒王もドリフターズは絶対に殺そうとするし、そうなれば勝利が比喩ではなく本当に確実になるのではないでしょうか。

 

以上、ドリフターズへの疑問点と考察でした。もし意見とかあったら書いていただけると嬉しいです。ともあれ6巻とアニメが楽しみですね!それではまた